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摂食嚥下チーム

当院では、2021年2月、新しくオリンパス社製内視鏡システムを導入し、この度、摂食嚥下チームを発足させました。これにより、「飲み込み」の状態を確認するための嚥下機能のさらなる評価が可能になり、今まで以上に多職種チームでリハビリの質を向上させることが出来ます。

 食べる力・飲む力
 
 摂食・嚥下機能は、全身疾患や加齢などが原因で低下します。この機能が低下すると、食道に流れるべきものが気管へと流れ、誤嚥性肺炎になることもあります。そのため、嚥下障害を早期発見して食形態を工夫したり、普段から嚥下訓練、口腔ケアを行うことが必要です。
 今後、75歳以上の後期高齢者の増加により、嚥下障害になる方も増えると予測されることを見据え、当院では、2021年2月、鼻咽腔内視鏡システムを導入、摂食嚥下チームを結成し、嚥下障害に対するリハビリ体制を構築しました。

 嚥下内視鏡検査(VE)
 
 当院では、嚥下機能を評価するための簡易検査として、内視鏡を用いた嚥下内視鏡検査(VE)を行っています。先端レンズ部分が直径数ミリほどの細い内視鏡を鼻から入れ、最初に、「パパパ」の発声により鼻咽頭の閉鎖について、次に、「エー」の発声により声門の閉鎖について診ます。続いて、食道と気管の分かれ道にある喉頭蓋の上端部を内視鏡先端部で軽く触れて刺激させ、反射があるかどうかを診ます。そして最後に、着色水を口の中に入れ、飲み込んだ瞬間、口腔から咽頭への流れや咽頭での残留がないかを評価し、この一連の検査を約十分かけて行います。
 検査の評価指数に基づき、点数をつけ、評価の結果、普通に食べることが可能、検査がさらに必要、食べることができない、の大きく3通りに区分分けします。

内視鏡検査の様子

 嚥下造影検査(VF)

 さらに詳細な嚥下状態を見る必要があると判断した場合、嚥下造影検査(VF)を行います。形態や量を変え、バリウムの入った検査食品を食べたり飲んだりして、リアルタイムに口から送り込まれていく様子をレントゲンで観察し、摂食嚥下チームで分析・評価を行います。そして、その人にあった「食事の形態」を提案し、その人にあった「リハビリ」を行います。

嚥下造影検査の様子

食道と気管の入口付近に残留物。

 摂食嚥下チームで診る

 摂食嚥下チームは、医師、看護師、理学療法士、言語聴覚士、作業療法士、管理栄養士、薬剤師、歯科衛生士等で構成しています。カンファレンスの開催のみでなく、PTによるシーティングやSTによる摂食嚥下についての生理・解剖、歯科衛生士による口腔ケアなど、各専門分野による勉強会、チームでの効果測定等を行います。「食べる」ことが困難になったご利用者に対して、各専門の職種が協働して評価・訓練を行うことで、食べる機能の改善、誤嚥性肺炎を予防し、日常の生活をより豊かに過ごせるようチームで支援します。

 

チーム会議